「ゲームが好きな息子に、何か力になる習い事を」と思っていたころ、息子が自分から「これやってみたい」と持ってきたのが学校で配られたeSPアカデミーのチラシでした。自閉症のある中学生の息子が3年間通い続け、つい最近卒業した今、あの頃のことを振り返ってみたいと思います。
📌 この記事でわかること
- eSPアカデミーとはどんな教室か
- 自閉症の子どもが3年通って感じた変化
- 発達障害のある子どもに向いているかどうか
eSPアカデミーとは?
eSPアカデミーは、マインクラフトを使った小学生〜中学生向けのeスポーツ教室です。ゲームの勝ち方を教えるのではなく、思考力・コミュニケーション能力・集中力といった「人間的な成長」を目的にしているのが大きな特徴です。
授業は毎回「目標設定→計画管理→発表」という流れで進みます。いわゆるPDCAサイクルを意識した構成になっていて、自分で考えて行動する力を楽しみながら身につけられるようになっています。授業の最後には必ず発表の時間があり、それが積み重なることで子どもたちの自信につながっていくんだとか。
また、年2回の「eスポーツ運動会」と年2回の合宿があり、普段の授業とは違う形で仲間と交流できる機会も設けられています。
きっかけは息子が自分からチラシを持ってきたこと
入会のきっかけは、息子が学校でもらってきたチラシでした。「これやってみたい」と自分から言ってきたんです。
自閉症のある息子は、新しいことを自分から「やりたい」と言い出すことがほとんどありませんでした。だからこそ、ゲームの習い事に興味を示したときは本当に驚きました。
それだけゲームというものが、息子にとって“自分ごと”として感じられるほど大きな存在だったのだと思います。好きなことだからこその集中力は、そばで見ていても驚くほどでした。
そして今振り返ると、本人の「やりたい」という気持ちがあったからこそ、3年という長い期間続けられたのだと感じています。
3年通って感じた息子の変化
入会から3年、息子はほとんど休まずeSPアカデミーに通い続けました。発達障害のある子が習い事を長期間続けるのは本当に難しいことです。それだけ居心地が良く、本人にとって意味のある場所だったんだと思います。
✅ 通って感じた変化
- 毎回楽しそうに通えた——3年間「行きたくない」と言ったことがほぼなかった
- 集中力・思考力が伸びた——PDCAの繰り返しで自分で考える習慣がついた
- 発表を通じて自信がついた——毎回の発表が積み重なり、人前で話すことへの抵抗が薄れた
- コミュニケーションが増えた——共通の話題を持つ仲間との会話が自然にできるようになった
- 学校の授業でも集中できる時間が増えた——日常の学習にも良い影響が出た
合宿で「自力で行動する力」が育った
eSPアカデミーには年2回の合宿があります。息子にとってこれが大きな転機になりました。
合宿の集合場所まで、息子が自分で調べて自力で行き帰りをしたんです。自閉症のある子どもにとって、初めて行く場所へひとりで行くというのは、想像以上にハードルが高いことです。でも息子は事前にルートを調べ、乗り換えを確認し、実際に一人でやり遂げました。
それをきっかけに、外出先を自分で調べて行動できることへの自信がついたようで、その後は他の外出でも「自分で調べて行く」という姿勢が出てきました。eSPアカデミーでのPDCA的な思考習慣が、実生活の行動力にもつながっていったのかもしれません。
3年でやめた理由——中学生仲間がいなくなった
3年通い続けた末に卒業を決めたのは、クラスの雰囲気が変わってきたからでした。息子が通っていた頃、だんだんと周りが小学生ばかりになり、中学生の子がほとんどいなくなってしまったんです。
おそらく中学生になると受験にシフトする子が多く、習い事を整理していくのだと思います。我が家も例外ではなく、周りに同年代がいなくなったことで息子自身の気持ちも変化していきました。
無理に続けることも考えましたが、本人の気持ちを優先してひと区切りつけることにしました。3年間楽しく通えたことは本当に良い経験で、「辞めたこと」よりも「続けられたこと・成長できたこと」のほうがずっと大きかったと感じています。
発達障害のある子どもに向いている?
我が家の体験をもとに言えば、次のような子どもには特に合いやすいと感じました。
💡 こんな子に向いているかも
- ゲームが好き・マインクラフトに興味がある
- 集団が苦手だけど、共通の趣味なら話せる
- 目標を立てて考える力を伸ばしたい
- ルールや手順が明確な環境のほうが落ち着ける
- 合宿・イベントなどで少しずつ自立の力をつけていきたい
一方で、環境の変化に敏感な子の場合は、先生やクラスが変わったときに影響を受けやすいかもしれません。体験前に「どんな先生が担当するか」「クラスの人数や雰囲気はどうか」を確認しておくと安心だと思います。
息子が自分からチラシを持ってきた日のことを、今でも覚えています。あの「やってみたい」というひとことが、3年間の成長につながりました。同じように迷っている親御さんの参考になれば嬉しいです。

