息子が小学6年生になったころから、「中学どうするの?」と聞かれることが増えました。
支援者、学校の先生、同じ境遇のママ友——いろんな人から聞かれるたびに、「まだ決めていない」と答えながら、内心ずっと考え続けていました。
普通級か、支援級か。どちらが息子にとって正解なのか、正直最後まで迷いました。
📌 この記事でわかること
- 普通級と支援級の違い
- うちが支援級を選んだ理由
- 入学してわかった「良かったこと」「大変だったこと」
- 中学進学を前にした親御さんへ伝えたいこと
選択肢は大きく2つ──普通級か、支援級か
発達障害・知的障害のある子どもの中学進学には、大きく分けて2つの選択肢があります。
✅ 2つの選択肢
- 普通級(通常学級):一般のクラスで同学年の子どもたちと一緒に学ぶ
- 支援級(特別支援学級):同じ学校の中にある少人数のクラスで、個別に合わせた支援を受けながら学ぶ
どちらにも良さがあり、どちらが正解とは一概に言えません。子どもの障害の程度、本人の意思、家庭の状況、地域の環境——さまざまな要素が絡み合って、答えは家庭ごとに違います。
見学して感じたこと・決め手になったこと
小6の秋、普通級と支援級について先生と話し合い、支援級を見学しました。
普通級では授業についていくのが難しいかもという不安がありました。支援級を見学しに行ったとき、息子が「ここに来たい」と自分から言ったんです。
同じ学校に通いながら、自分に合ったペースで学べる。本人がやってみたいと思える場所を選ぶ、というのが最終的な決め手になりました。
支援級に入学してわかった「良かったこと」
✅ 入学してよかったと感じること
- 地域のつながりが続いた(小学校の友だちと同じ学校)
- 通常学級との交流授業で刺激をもらえた
- 放課後デイサービスをそのまま継続できた
- 本人が「行きたい」と思って通えている
支援級の先生は人数が少ない分、息子のことをよく見てくれています。「今日こういうことがあって…」と細かく連絡をくれるので、家でもフォローしやすいと感じています。
また、放課後デイサービスを変えずに続けられたのも大きかったです。環境の変化が苦手な息子にとって、「デイはいつもと同じ」というのが精神的な安定につながりました。
もうひとつ、意外だったのが「お仕事」の時間です。支援級では、全校生徒に配布する資料を折る作業を請け負っているそうで、息子もその一員として参加しています。最初は「そんなこともするんだ」と驚きましたが、本人はとても誇らしそうに「今日お仕事した」と帰ってきます。
誰かの役に立てている実感、学校全体に関わっているという感覚が、本人の自信や責任感につながっているようです。こういう経験が積み重なっていくことが、将来の自立にもつながっていくんだろうなと思っています。
正直に言う「大変だったこと」
もちろん、良いことばかりではありません。
入学してすぐ、授業参観に行きました。支援級の全体授業だったので、クラスの中で一番レベルに合わせた内容——足し算の授業でした。
「さすがに…大丈夫かな」と、正直不安になりました。周りの子との差を改めて突きつけられたような気がして、帰り道に複雑な気持ちを抱えたのを覚えています。
でも今は、個別の時間には本人のレベルに合わせた内容で勉強できているとわかって、安心しています。支援級は「全員で同じことをする時間」と「一人ひとりに合わせた時間」が両方あるんですよね。最初からわかっていれば、あんなに不安にならなかったかもしれません。
もうひとつ、覚悟はしていたけれど実際に直面するとやっぱりショックだったのが、成績評価の変化です。
普通級なら5段階評価がつきますが、支援級ではその評価システムが適用されません。頭ではわかっていても、「ここで線引きされるんだな」と改めて感じて、胸が痛くなりました。
この先どうなるんだろう、高校は?就職は?——先のことがぐるぐると頭を駆け巡って、しばらく不安な気持ちが続いたのを覚えています。同じように感じた保護者の方も、きっと多いのではないかと思います。
中学生になると、周りの子どもたちとの差が目に見えて広がります。体も心も成長期に入り、通常学級の子との交流が増える中で、「自分は違う」ということを本人が意識し始める時期でもあります。
思春期特有のイライラや気分の波も加わって、小学校のときよりも感情のコントロールが難しくなった時期がありました。「なんでこんなに難しくなったんだろう」と途方に暮れたこともあります。
それでも、支援級の先生やデイサービスのスタッフと連携しながら、少しずつ乗り越えてきました。
放課後デイサービスとの関係も変わった
中学進学後、デイサービスの役割も少し変わってきたと感じています。
小学生のころは「安心して過ごせる場所」という意味合いが強かったのですが、中学生になってからは「社会に出るための練習の場」という側面が強くなってきました。時間を見て行動する、困ったことを言葉で伝える、年下の子をサポートする——こういった経験が積み重なって、確実に力になっています。
学校・家・デイサービス、この3つがうまく連携できていると、子どもの状態が安定しやすいと実感しています。
中学進学を前にした親御さんへ
普通級か支援級か、どちらが正解かは子どもによって違います。見学して、本人の反応を見て、先生や支援者と話し合って——そのプロセスを丁寧に踏むことが大切だと思います。
💡 進路選びで大切にしたいこと
- 普通級・支援級どちらも実際に見学して、子どもの反応を見る
- 本人の意思をできるだけ尊重する
- 小学校の先生・支援コーディネーターに相談する
- 「正解」より「その子に合った選択」を探す
- 放課後デイサービスなど、サポート体制を継続できるかも確認する
迷って当然です。むしろ迷うくらい真剣に考えているからこそ、子どもに合った道が見えてくる気がします。
うちの息子は今日も元気に中学に通っています。あのとき一緒に見学して、「ここに来たい」と言ってくれて良かったと、今でも思っています。
